跡継ぎがいない場合、東京都で永代供養してもらえる樹木葬はありますか?
専門家が答える樹木葬Q&A
樹木葬のほとんどが、跡継ぎがいなくても利用しやすい永代供養付き。
永代供養とは、墓地の管理者(寺院や自治体など)が続くかぎり永代にわたって遺骨の管理・供養をしてくれるお墓のことで、遺骨管理システムを指します。
厳密にいえば、「供養」は仏教から派生した言葉になりますので、自治体が経営主体の公営墓地は遺骨を管理するだけになり、寺院墓地は遺骨の管理に加えて供養という宗教儀礼が伴います。
公営墓地や、「供養」という言葉を使用しない宗教・宗派の墓地の場合は、「永代管理墓」「永代墓」「永年墓」といった表現を用いています。
永代供養墓は、次世代へ継ぐ「承継」を前提としないため、お墓を引き継ぐ人がいない人を中心に人気があります。
東京都内は花壇風デザインの都市型樹木葬が主流
永代供養墓にはさまざまな形態があり、樹木葬もそのひとつ。樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とするタイプのお墓のこと。都市型の樹木葬墓地は、一般墓所の一角を樹木葬エリアとし、そこを石やレンガなどで囲って花壇風にデザインされた外観が多くなっています。「大自然に抱かれて眠りたい」というイメージをお持ちの方は、ギャップを感じるかもしれません。
また、一度納骨したらそのまま恒久的に埋蔵されるタイプもありますが、都市型の樹木葬の多くは、遺骨は骨壺ごと納骨し、使用期間が過ぎたら取り出して別の場所に合葬されるケースがほとんどです。
東京の樹木葬墓地の費用感は一人分で20万~80万円
樹木葬は、同エリアで同じ広さの区画と比較すると、墓石を建てる一般墓に比べて墓石を使用しない分安くなります。ただし東京の樹木葬墓地は、狭小とはいえ土地を使用する分、納骨堂よりは若干高め。個別納骨か合葬納骨か、個別区画の使用期間によって異なりますが、一人分で20万〜80万円が目安になります。
ちなみに東京都立多磨霊園の樹林墓地(2021年〜募集開始)は、公営ということもあってリーズナブル。一人91,000円で、遺骨を粉骨した状態だと30,000円とさらに安くなります。ただし合葬タイプなので一度納めた遺骨を取り出すことはできません。
宗教・宗旨不問のお墓であっても寺院内にある場合は配慮を
樹木葬に限らず、永代供養の多くは「宗教・宗旨・宗派を問わない」という条件で使用者を募集しています。しかし、寺院境内の中にある樹木葬は、当然日常の勤行がその宗旨・宗派に沿った形で行われていますし、檀家墓地エリアと近接しています。他の宗教・宗旨・宗派と深い関わりがあったり、こだわりのある人は注意が必要です。
民間霊園であっても、合同法要等の供養については霊園の経営主体である寺院の宗旨・宗派に沿った形で行われます。
なお、東京都ではじめての樹木葬となった東京都立小平霊園の樹林・樹木墓地では、年に1回、5月4日「みどりの日」に宗教色のない献花式が行われています。
跡継ぎがいない方への樹木葬選びのアドバイス
「お墓を引き継ぐ人がいない」などを理由に子々孫々と継ぐことを前提としたお墓を建てられない場合、永代供養墓が適しています。「永代供養墓は継ぐ人がいない人が入るから、墓参りに来る人が少なく寂しいのでは」と思う人もいると思いますが、都市部にある永代供養墓は、夫婦や家族で入っている人も少なくありません。樹木葬エリアは明るく開放的な雰囲気で、四季を通じて花が咲いている霊園もあります。
宗教・宗派や費用感、納骨方法などの比較検討のほか、周囲の環境を含めて遺された家族が気軽にお墓参りに行きたくなるような雰囲気の樹木葬墓地を選んでみてはいかがでしょうか。
樹木葬や永代供養に関するその他の悩み
樹木葬を購入した後に、トラブルが起きないようにするためには、どうすればよいでしょうか。
樹木葬の特徴やメリット、注意点を把握して、ご家族が納得してお墓選びをすることが重要です。お墓を選ぶタイミングで、ご家族や関係者に相談することをおすすめします。詳しくは、樹木葬のメリット・デメリット記事をご覧ください。
樹木葬とは?購入前に知りたいメリット・デメリット・費用を解説
永代供養付きの樹木葬は、どのように納骨されるのでしょうか?
納骨方法は、霊園や墓地によって異なります。一定期間骨壺で埋葬した後に、骨壺から取り出し土に還す方法や土に還る紙に包んで納骨するなどさまざまです。気になる方は、霊園に問い合わせてどのような方法で納骨されるかを確認しましょう。詳しく知りたい方は、樹木葬について記載された記事をご覧ください。
樹木葬と永代供養の違いは何?今注目されているワケ・注意点も解説!
お寺の樹木葬の場合、檀家になる必要はないのでしょうか?
永代供養付きの樹木葬は、檀家にならなくてよい場合が一般的です。永代供養の場合は、お墓を継ぐ人がいなくても問題ない仕組みになっているため、檀家になることが求められないことがほとんどです。より詳しく知りたい方は、お寺の樹木葬について解説した記事をご覧ください。
お寺で樹木葬をしたい!檀家は必須?押さえておきたい注意点を解説
公開日:
2022-05-27
更新日:
2022-05-30